Colombia Coffee Seminar

Colombia Coffee Seminar

コロンビアコーヒー:伝統と革新の調和

SCAJ2024ではニカラグアに続いて、コロンビアコーヒーについてのセミナーに参加しました。コロンビアはボタリズムにとって欠かすことのできない重要な産地の一つです。今回のセミナーでは、コロンビアのコーヒー産業が直面する課題と、それに対する革新的な取り組みについて多くの学びがありました。

美しい生豆と、その背景にある努力

当店で仕入れているコロンビアの生豆は、麻袋を開封した瞬間から目を奪われるほどの美しさを持っています。その姿からは、産地での多大な努力が感じられます。実際、コロンビアのコーヒー産業は品質向上に向けて弛まぬ努力を続けており、今回のセミナーでもその一端を知ることができました。

2024年の収穫は好調な見込み

セミナーの冒頭で、2024年度の収穫が好調であることが示されました。これは非常に良いニュースです。しかし、過去には気候変動の影響も見られました。2021年から2022年にかけて、コロンビアは強いラニーニャ現象の影響を受け、困難な時期を経験しています。現在の年間生産量は約1250万袋から1300万袋程度と推定されています。

CASTILLO 2.0:未来を見据えた新品種

今回のセミナーで特に印象的だったのは、「CASTILLO 2.0」という新品種のテイスティングを体験できたことです。この品種は、世界的な課題となっている気候変動や、コーヒーの木にとって重大な問題となるさび病に強い耐性を持っています。実際に市場に流通するまでにはまだ数年かかりますが、コーヒーの2050年問題に対する一つの光明を直接感じられたことは、大きな収穫でした。

持続可能性への取り組み

コロンビアのコーヒー産業は、品質、環境、持続可能性の3つの柱に注力しています。具体的には以下のような取り組みが行われています:

  • 水洗工場のセンター化:生産者の労働環境改善、品質の均一化、環境負荷の低減、コスト削減、トレーサビリティの向上を実現
  • EU規制への対応:森林破壊のないコーヒー生産を目指し、トレーサビリティシステムを構築
  • 持続可能な農業実践:コーヒー樹の更新プログラム、適切な施肥計画、水資源管理の改善
  • 気候変動への適応と緩和策:新品種の導入、農業プラクティスの改善、森林保護と再生プログラムの実施

日本市場との深い関係

セミナーのプレゼンテーターは日本市場で6年以上の経験を持ち、日本のバイヤーとの協力関係を重視していると語りました。日本市場の高い品質要求に応えるため、水洗処理や品質管理の改善に特に注力しているそうです。

未来へ向けて

コロンビアのコーヒー産業は、新品種の普及、水洗工場のさらなるセンター化、トレーサビリティシステムの強化などを通じて、国際市場での競争力維持を目指しています。これらの取り組みは、高品質なコーヒー生産を維持しつつ、気候変動や国際市場の要求に対応するためのものです。

今回のセミナーを通じて、コロンビアコーヒーの魅力と、その背後にある多くの人々の努力をあらためて実感しました。ボタリズムでは、これからもコロンビアの生産者の方々と協力し、皆様に素晴らしいコーヒー体験をお届けできるよう努めてまいります。

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