コロンビア アンティオキア ラ・レセルバ農園 チロソ
コロンビア アンティオキア ラ・レセルバ農園 チロソ
【焙煎士から一言】
レモングラスのような華やかな香りと甘美なテイストが広がる一杯。特別な発酵プロセスが生み出す、複雑な味わいの変化をぜひお楽しみください。
【産地情報】
アンデスの大自然に抱かれた「ラ・レセルバ農園」は、コロンビアのアンティオキア地方シウダー・ボリバルに位置します。この農園は2018年、伝統的なコーヒー農家から購入された400ヘクタールの土地を再生する形で誕生しました。そのうち180ヘクタールはコーヒー栽培に充てられ、残りの土地は生物多様性の保護区として管理されています。特に「メガネグマ」として知られる絶滅危惧種のアンデスクマの保護にも貢献しており、農園は単なるコーヒー生産地を超えた「自然と共存する楽園」としての役割を果たしています。
ラ・レセルバ農園を率いるのはフアン・フェリペ氏。彼は眠っていた可能性を見出し、かつての放棄農園を再生させるという壮大なビジョンを掲げました。その努力の結晶が、ここで育つ22種類以上のエキゾチックな品種コーヒーです。これらの品種は、森林保護区の木陰を活用し、持続可能な農業の理念に基づき栽培されています。
ラ・レセルバ農園の代表的な品種が「チロソ」です。「チロソ(Chiroso)」は、コロンビアのアンティオキア県ウラオ市で発見された品種で、当初はカトゥーラの突然変異種と考えられていましたが、近年の研究でエチオピア在来種と遺伝的に関連していることが示唆されています。「チロソ」という名称は、コロンビアの農村部で「少し細長いもの」を指すスラングに由来し、細長い形状のコーヒーチェリーが特徴です。この品種は、華やかな香りと複雑な風味を持ち、コロンビア国内の品評会でも高く評価されています。特に、2020年のコロンビア カップ・オブ・エクセレンスでは、アンティオキア県のロス・トレス・モスケテロスのチロソが90.03点を獲得し、第1位に輝きました。この品種は、標高1,950~2,000メートルの高地で育まれ、マイクロクライメット(その土地特有の小規模な気候条件)の恩恵を受けています。主な収穫期は10月から12月、4月から6月にはフライクロップ(副次的な収穫期)も行われ、年間を通して安定した品質が保たれています。
味わいの奥深さを生み出す秘密は、フアン・フェリペ氏がこだわり抜いた「ハニー36+96時間プロセス」にあります。このプロセスでは、まず完熟した高品質なチェリーのみを選別し、果肉がついたまま36時間の発酵を行います。その後、200リットルの密閉容器で96時間のアナエロビック(酸素を遮断して行う嫌気発酵)を経て、8日間の天日乾燥を実施します。この入念なプロセスにより、コーヒーは比類なき風味の複雑さと香りの華やかさを手に入れます。
農園ではコーヒーだけでなく、アボカドやオレンジ、バナナ、オオバコといった多様な作物も栽培されています。これにより、地域の生物多様性が保たれ、農園全体の生態系が豊かに保たれています。加えて、コーヒーの収穫期には約40人のピッカー(収穫作業者)が雇用され、地域経済にも貢献しています。
ラ・レセルバ農園の未来は、さらなる革新と挑戦の物語です。フアン・フェリペ氏は、品種の多様化や新たな製法の開発にも意欲的に取り組んでおり、その姿勢は世界中のコーヒー愛好家からも高く評価されています。ラ・レセルバ農園は、単なる高品質なコーヒーの提供者ではなく、生物多様性の保全と持続可能な農業の象徴的存在へと進化しています。ぜひ、この特別なチロソの味わいを通して、ラ・レセルバ農園の情熱と大自然の調和を感じてください。
味わいの特徴は、レモングラスのような風味と華やかな花のような香りと、熟したフルーツのような甘さが一体となった複雑な風味が広がります。特に、口に含んだ瞬間の芳醇な甘みから、後にかけて続くほのかな酸味のバランスが絶妙です。
製 品 名 コロンビア アンティオキア ラ・レゼルバ農園 チロソ
生産地区 アンティオキア シウダー・ボリバル
標 高 1,950~2,000m
生 産 者 ラ・レゼルバ農園
プロセス ハニー36+96時間プロセス(36時間果肉付き発酵+96時間嫌気発酵)
焙 煎 度 シナモン~ミディアムロースト
今までのコロンビアの概念を覆す
味、香り!エクセレント甘み、
酸味バランスが良い!!
レビューをお寄せいただき、ありがとうございます。おすすめの豆、「チロソ」をお楽しみいただけたとのこと、大変嬉しく思います。この「チロソ」は、エチオピア在来種に由来するとされ、ネクタリンやグアバのようなトロピカルフルーツの風味が特徴です。これからも、皆様の日常に彩りを添えるコーヒーをお届けできるよう努めてまいります。