ニカラグア ヌエバセゴビア ラ・エストレージャ AA ウォッシュド
ニカラグア ヌエバセゴビア ラ・エストレージャ AA ウォッシュド
【焙煎士から一言】
ニカラグア ヌエバセゴビアより届いた、ラ・エストレージャ AA。この一杯には、長年の品質向上への真摯な取り組みと、生産者、そしてサプライチェーンに関わる信頼の連鎖が込められています。甘みとバランスの良い酸、そしてマイルドな風味が織りなす、奥深く洗練された味わいをご自宅で。心安らぐひとときに、ぜひどうぞ。
【産地情報】
ニカラグアのコーヒー生産は、単なる産業ではなく、国の文化と自然環境を映し出す豊かな物語です。80年代の内戦による荒廃を経て、90年代以降、品質向上への取り組みが進み、近年ではCup of Excellence(COE)などの国際品評会でも高く評価される良質のコーヒーが登場しています。この国では、51,000以上の生産者家族がコーヒー生産に携わっており、そのうち30%が女性経営者という点に、産業の多様性と包括性が表れています。約90%の生産者は小中規模生産者です。
生産地域は主に北部と中央部に集中しており、特にヌエバセゴビア地域(ニカラグア北西部、ホンジュラス国境沿いの地域で、高地栽培に適した環境と土壌の特性が、独特で豊かな風味プロファイルを生み出す場所)は、品質の高いコーヒーの産地として知られています。ニカラグアにはラテンアメリカで2番目に大きい淡水湖であるニカラグア湖や、二つの火山がある島など、多様な地形が存在し、これらがコーヒーの個性に影響を与えていると言えるでしょう。
ニカラグアでは、収穫や生産処理において伝統的な手法が今も守られています。品種構成においては、内戦期とその後のリハビリ(農地の回復や手入れ)を経て、カツアイ、カツーラ、カチモールなど、様々な品種が多様に植えられているという歴史的背景があります。完熟した実を丁寧に収穫し、発酵工程を経る伝統的な水洗処理方式(ウォッシュド(水洗式精製):収穫したコーヒーチェリーの果肉やぬめりを除去するために水を使用する精製方法)が行われています。
長らくニカラグアでは、従来の乾燥方法において地面に直接広げたり、直射日光に晒したりするなど、品質にとって好ましくない条件が見られることがありました。しかし、近年の品質向上への取り組みの中で、この乾燥工程の改善が特に重要視されています。
今回の「ラ・エストレージャ AA」ロットの品質に大きく関わっているのが、カラベラ社(ラテンアメリカのスペシャルティコーヒー輸出を専門とし、農家との長期的な関係構築を重視する企業)です。2013年に同社が現地に設立したPECAアグロノミストチーム(現地助言者5名)は、収穫から加工までのベストプラクティスを指導し、2014年には5,000㎡のシェードベッド乾燥施設を導入。2023年には14,400㎡の3段式 raised-bed(アフリカンベッド)へ拡張し、25名の常勤スタッフと100名以上の季節スタッフが品質管理を担当しています。各ロットには固有のトレーサビリティIDを付与し、水分値や活性値を3~4日ごとに測定する徹底した管理体制で、安定した品質と長期保存性を実現しています。主にカツアイとカツーラ種をブレンドし、持続可能な生産体制と生産者への高い還元を両立しています。
「ラ・エストレージャ」という名前は、2013年に設立されたカラベラ社のドライミルであるBeneficio La Estrella工場に由来します。この工場では、日陰シートで覆われた施設内での15日間にわたるアフリカンベッド天日乾燥により、より均一で高品質な乾燥を実現しています。
このような農家と乾燥工場、輸出業者による連携は、カラベラ社が定める厳格な基準(歩留まり、生豆外観、欠点、水分値、水分活性など、品質を評価するための詳細な指標)をクリアすることが前提となっており、その基準管理こそが安定した品質を支える柱です。
また、ニカラグアでは環境への配慮も重要な側面であり、森林保護、水資源の保全、生物多様性の維持など、自然と共生する生産方法が積極的に採用されています。シェードグロウン(日陰栽培:IngasやMusaceae、森林樹木、松などの木陰を利用する方法)も推奨され、コーヒーの品質向上と持続可能性向上に寄与しています。
ラ・エストレージャ AAは、ヌエバセゴビア産らしい、甘み、バランスの取れた酸、そしてマイルドな風味が特長です。口に含むと広がる豊かな風味は、この土地の気候風土、そして品質へのこだわりを持つ生産者たちの努力の結晶です。
2024年に開催されたSCAJ展示会では、実際に生産者と輸出関係者によるセッションに参加し、その内容を詳しくまとめました。現地のリアルな声を交えた視点から、ラ・エストレージャ AAを深く理解するための記事をこちらにてご紹介しています。ぜひご覧ください。
この一杯を味わう時、遠く離れた土地でコーヒーが育まれ、私たちの手元に届くまでの豊かなストーリーに思いを馳せていただけたら幸いです。Botarhythmが厳選したこの一杯で、ご自宅での安らぎのひとときがさらに豊かなものとなることを願っています。
[味わいの特徴]:甘み、バランスの取れた果実味、マイルドな風味。
製 品 名 ニカラグア ラ・エストレージャ AA
生産地区 ヌエバセゴビア地域(モゾンテ&マクエリゾ&サンフェルナンド&ハラパ&ディピリト)
標 高 1200~1500m
生 産 者 ヌエバセゴビア地域の100軒の小規模農家
プロセス ウォッシュド(水洗式精製)後、ドライミルでアフリカンベッド天日乾燥
焙 煎 度 ハイロースト(中煎り)
フレーバープロファイル
- beans
- nicaragua
- ウォッシュド
- ニカラグア
- ハイロースト
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